みんながその場の空気が明るくなれば、って、気を遣って言う60点くらいのユーモアを、バカにする資格はないと思うよ、君に
全員くたばれ!大学生ってどんな話?
掲載されている雑誌は?
週刊SPAに2018年から連載されていた青年向け漫画です。現在は、ピッコマなどのオンライン漫画で読むことができます。
どんなストーリー?
主人公は「哲太」という大学生。大学受験に失敗して、滑り止めで合格した「包茎大学」に通っている。
大学入学当初は、すぐに友人や恋人ができて、キャンパスライフを謳歌できることを想像していたが、自身の性格が災いして思い通りにいかず、もがき苦しんでいる。
仲間に入りたいけど入れない、楽しみたいのに楽しめない、いつも誰かに見られているような気がする、このような心理状態を、赤裸々に描写している。
主人公はどんな人?
ネガティブ思考で、自分が起こした発言や行動が失敗することを常に恐れている。この主人公の性格を箇条書きにするとこんな感じ。
- 周りの明るくてクラスの中心的同級生(パリピ)の発言を心の中でくだらないと思ってバカにしている。しかし、本当は仲間に混ぜてもらいたいと思っている。
- 周りの弱そうな(しょぼい)同級生は、自分より格下だと思っている。そのような格下同級生に声を掛けられても、仲間だと思われたくない。
- 自分より格下だと考える同級生に対しては、横柄な態度を取る。
- 常時、自分が周りからどう見られるのかばかり気にしている。
- 自分の容姿に自信がなく、劣等感がすさまじい。容姿が原因でうまくいかないと思っていて、自分の努力や性格の問題ではないと考えている。
- 滑り止めで入った大学なので、自分は周りの人間よりも頭がいいと思っている。
主要な登場人物
【長谷川】
物語の序盤から登場。
哲太と同じ大学の男子同級生。ダンスサークルに所属している。
学校内カーストNo1グループをまとめる同級生の中心的存在。哲太が同級生の中で最も憎む存在であるが、心の深い部分で自分もこうなりたいと嫉妬している。
【高野】
物語の序盤から登場。
哲太と同じ大学の男子同級生。学校内カースト最下位グループに所属しているが、そのグループの中で唯一哲太が友達になりたいと考えている人物。
哲太のネガティブさや周囲とうまくやれない人柄に対して、非難したり、時には前向きなアドバイスをする。
【はぎっち】
物語の中盤から登場。
哲太が大学3年のときに、とあるきっかけで哲太が始めたバイト先の居酒屋にいた先輩。後日大学の同級生であることがわかる。
相手の見た目や考え方によって態度を変えるようなことはせず、哲太に対しても他の学生と同様に明るく接してくれる。
哲太は、はぎっちの人柄がすぐに好きになり、長谷川個人やダンスサークルなどを憎むべき存在として打ち明けるようになる。
物語の終盤で、はぎっちが、長谷川の所属するダンスサークルの部長であることがわかる。
今回のブログで紹介する名言の発言者。
【謎の50代営業職のおじさん】
物語の序盤から登場。
尻穴忠(株)の子会社に勤める50代のおじさん。高卒。
若いころは親会社に勤めていたが、年下の大卒上司の下に付いたあとで出向させられた。
自分が出世できなかったのは高卒が原因だと考えていて、大学で楽しそうにキャンパスライフを送っている大学生を心底憎んでいる。
物語の序盤から登場し、哲太のネガティブな考え方を応援する。(哲太の悪魔側の心理状態を支持する人物)
【江口】
物語の序盤から登場。
哲太と同じ大学の女子同級生。
物語の序盤から登場し、哲太が何らかの心理的葛藤にぶつかると、タイミングよく表れてポジティブなアドバイスをする。(哲太の天使側の心理状態を支持する人物)
物語の終盤で、この江口は、哲太が躊躇しているときに勇気を与えてほしい、という思いを具現化した、哲太の頭の中だけにいる架空の人物であることが判明する。
名言について考察する
このセリフが登場するきっかけ
主人公の哲太は、あるきっかけで大学近くの居酒屋でアルバイトをすることになった。そこで「はぎっち」に出会う。
はぎっちは、哲太に対して普通に接してくれて、哲太の偏った考え方にも耳を傾けてくれる。
あるとき、哲太がはぎっちに、長谷川などの所属するポジティブグループの会話が「レベルが低くてくだらない」という話をした。
今回の明言は、それに対するはぎっちの回答。
みんながその場の空気が明るくなれば、って、気を遣って言う60点くらいのユーモアを、バカにする資格はないと思うよ、君に
社会性って何?
中学~大学生の思春期は、男女ともに集団を作りたがる性質があり、ランクの高い集団に属したい、と考える傾向があります。
大人になると、少しずつこのような思考を客観的に考えられるようになります。
学生の時期は、この主人公のような社会性のない性格に対する対処がわからなくて、もがいている人をたまに見かけます。
この明言は、個人の社会性を上げるための重要なアドバイスの一つではないかと思います。
場の空気を作る
10代の中盤以降に成長すると、人は自分自身が楽しくなること以上に、周囲の人が楽しくなることに幸せを感じるようになってきます。
場の空気を上げる方法は、大きく分けて2つの方法があります。
- 相手の話を聴いて、同調すること。(聴く力による社会性)
- ポジティブな話題を提供すること。(話す力による社会性)
このはぎっちの名言は、話す力による社会性と言えるのではないでしょうか?